Giraffe’s notes

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GQ 2022 1月号 SUGA

●=インタビュアー

SG=SUGA


●最近シュガさんはどうですか?文字通り、安寧(アンニョン)でいらっしゃいますか?


SG ちょうどいいです。こう表現するのが合っていると思います。とても良い人たちと一緒に仕事することができて、特にやりずらい状況もなく。心が平安です、最近。


●感情の荒波がなく、余裕があって、安定した感じがあります。落ち着いて完全に中道を守ることができる方法は何でしょうか?


SG ただ一歩後ろから状況をよく見守ればいいんです。人は当然、感情的で激しくなる瞬間がありますが、しばらく我慢して一歩後ろに立てばよく見えます。僕はなにか感情的になる瞬間がくるととにかく全てのことをストップさせてしまいます。しばらく考えようとします。だから喧嘩することがないんだと思います。


●第三者の立場で見守るわけですね。


SG それが僕に合っていました。実際のところ、起こって解決することならとっくに解決してるのではないかと思います。


●SUGAにとって今は合っていて昔は間違っていたことがあるとすれば何でしょう?


SG すごく多いですよ。特にデビュー初期からしばらくは世論に押し流されてきたと思います。人々の反応にすごく敏感になって、実際、攻撃的な反応もあって。ですが僕は現実ではそんな人を見たことがないんです。ただの一人もです。その時はインターネットをすごく一生懸命見ていたのが間違いでした。ある瞬間、これが現実とは少し違う部分だと気づいたんです。大変なことが起きたと言われるどんな問題も、現実ではよく体感できないんです。今はほとんど(インターネットを)見ません。


●今は意味のある記録が立て続けに出ていますよね。どれだけ繰り返しても慣れないことを挙げてみるなら?


SG 僕たちはおよそ3年前の反応を今体感するんですよ。その時は分かりません。その当時には分からないことが僕たちの長所でもあるのですが、僕たちを盛り上げてくれるような言葉を聞くといまだにぎこちなく、照れ臭くはあります。そこまでではないのですが、こんな風に思ったりして。それと、いまだに公演をすることにすごくワクワクします。


●時々夢に出てくる公演があるとしたら、どんな場面でしょうか?


SG 僕は2019年のソウルファイナルコンサートが今も目の前にはっきり浮かびます。時々検索して見たり。その映像を見て寝た日は必ず夢に出てきます。


●今まで音楽を扱いながらそれに向き合う態度や視野が共に変化したと思いますが、シュガを起こし、立ち上がらせ続けるエネルギーが何なのか気になります。以前は’恨‘として発散していたとすると、現在の燃料は何と定義しましょうか?


SG 僕の中にある面白いアイデアたち。今外部の仕事をするのもそうですし、広告音楽をしたり、軽音楽をしたり、正直、既存の形にはあまりない歩みじゃないですか。ですがそういう挑戦が僕はすごく面白いみたいです。明日が楽しみになるようにするほうです。恨と憤怒は自分を蝕んでいく傾向があるので、下に置いて、代わりに肯定的なエネルギーを使おうとします。


●‘SUGA’と‘Agust D’、そして‘BY SUGA’、この三つがそれぞれ占めているミンユンギの割合はどうなりますか?


SG 三つ全部等しく僕です。どのキャラクターがより僕の姿に近いということはなく、本当に三分の一ずつ占めています。僕はただ選択肢をあげるんです。見せてあげる姿が三つともあまりに違うので、人々が選びたいように見ることのできるようにしておくんです。


●創作物に何かしらの終止符を打つ基準や地点がありますか?一昨年の絵を描く映像では、そこそこの出来程度では筆を置いたりしませんでしたよね。


SG 何も出てこない時。その時は思い切って止めるんです。うまくいかないものにしがみつく方ではありませんから。ですが、やる時は本当に時間が過ぎるのにも気づかずやりはしますね。それは僕は絵を描くときだけではなく、何をするにしてもそうだと思います。好きなことが新しくできると馬鹿みたいにひたすらするんです。単純に面白いから長いことしがみついてるんです。


●その時完成した作品「朝」で波形で表現した単語は一体何ですか?


SG キャンバスの後ろに書いてあります。後で誰かが持って行ってもその人だけが見ることができるように。


●特別な意味があるようですね。


SG 特別だと思えば特別だとも言えるし、特別じゃないと言えば特別じゃないとも言えますし。


●面白いですね。いつも興味を持って態度で一つの分野を着実に掘り進めていくということは簡単ではありませんよね。これからずっと長く音楽を続けていくことだと、シュガさんがインタビューのたびにハッキリと出してきた答えが思い浮かびました。好きなことを長く続けていける方法はありますか?


SG あまり好きになり過ぎないことです。あまりに好き過ぎると長く続けられません。ですが僕はあまりにも好き過ぎたんです。音楽をとても愛していたけれど、その気持ちを減らそうと努力した時期がありました。もちろん今もそうですし。


●今もですか?


SG はい、作業する時期以外は音楽を聴きません。可能なら最大限遠ざけておくんです。ただ自分が必要な時だけ音楽を探します。あまりにも愛し過ぎると、愛し過ぎて諦めなくてはならない時が来ますから。ある程度適当な距離を置いてこそ、埋没してしまわずにその仕事を長くすることができます。だからあまりたくさん意味を付与してしまうとしんどくなります。


●その距離はいつ頃置き始めましたか?


SG だいたい5年前から適当(適切)な距離を置き始めました。そうしてよかったと思います。流れに身を任せて置いておくこともできますし、あまり一生懸命にならなくてもいいんです。曲にとって、僕が作業が行き詰まってもどっちみち僕たちはチームですから、誰かがそれを埋めてくれているでしょうし。見方によっては、メンバー達にたくさん頼るようになりましたね。もちろんそれでも責任感を持って全てやってはいますが、僕が挫けても僕を受け止めてくれる人たちがいるんだなと思う気持ちがむしろ良かったようです。


防弾少年団の音楽には、がっしり太くて鋭いテーマが多く見られます。夢や現実、孤独、希望のように、代わりに痒いところを掻いてくれるような気持ちよさのある話を語ってきましたが、これからはどんなキーワードが残っているでしょうか?


SG 夢の話はずっと続けていくのではないでしょうか。僕もずっと夢を見ながら生きていて、これからも夢をみるつもりですし。‘Dynamite’ 以降はまだ難しい悩みです。


●みんながその点に注目してはいますね。


SG 明らかに今よりもう少したくさんの話が出てくるでしょうね。なぜなら、僕が直接経験して感じることを上手く込めたいんです。シーソーゲーム(一つ前進しては一つ後退しての繰り返し)をしながらまた進まないとですね。


●夢というキーワードは防弾少年団とシュガにひときわ胸に迫るようですね。夢の前には誰もが平等で、夢がなくても大丈夫だと説いてくれるので現実に生きる多くの人たちにとってありがたい解毒になりました。ですが時には目標と夢の有無が人生において大きな原動力になりもするじゃないですか。今も夢の前で迷子になっているようにしか感じられないときはどう行動すべきでしょうか?


SG 夢にあまり多くの意味を持たせてはいけません。ですから夢はただの夢なんです。夢はなくてもいいという言葉は、本当になくてもいいから言ってるんです。必ずそうやって努力しながら生きなくてもいいということです。78億人の人口が78億個の人生を生きているのが人生というものなのに、しきりに一つの道にだけ行かせようとするのが僕はとてももどかしいんです。夢はもちろん60代や70代もあるかもしれませんが、世界が明らかに若い子達に対して酷だとすごく思うんです。なにか一つの道を行ってそのまま行けなければまるで失敗したかのようにたくさん表現するじゃないですか。ですが生きていたらそんなものではないんですよ、人生は。幼く若い子達にはあまり自分を責めて欲しくないです。それは本人のせいではないので。比較もしないで。夢の大きさを無理に周りと比べる必要は全くないんです。僕もやたら大きな夢を持って生きているようにみえるかもしれませんが、全然そんなことないです。僕も今夢がありません。無いことが果たして不幸でしょうか?そんなことはありません。むしろ今は安らかです。夢はまた生まれるでしょう。バスケがもっと上手くなることが夢でもいいし、そういうことを一つ、二つずつ叶えていくことでも十分価値のある人生だと思います。


●大かろうが小さかろうが夢は夢だと。明快ですね。


SG 僕は、一日一日を生きる理由を探し始めたら、ただ心が安らかであることがよかったんです。心配は少し減らして、心が安らかな人になることが夢です。僕はそれが夢ですが、こういう言葉を簡単に言えないということが、見方によっては(こういう言葉が)偽善に聞こえるかもしれないということですよね。「お前は全部叶えたからそんなこと言えるんじゃないのか」と。ですがそれがどんなことであれ、自分が生きていく原動力になる夢さえ持っていればいいんです。とてつもなく大きい夢である必要も全然ありません。


●そしてそれは時間が過ぎれば自然と見つかるものなんですね。


SG もちろんです。それは変わり続けるものですから。6ヶ月前の僕と今の僕はとても異なりますし、6ヶ月後はさらに変わっているでしょう。考え方が変わらないでしょうか?だから僕は初心という言葉をがあまり好きではないんです。その言葉は管理しやすくしようとする大人たちの言葉だと思います。人は変わるものだという事実を認めなければなりません。変化に順応しながら生きていけばいいんだと思います。


●ではシュガさんがいつかフォークソングを歌う日を期待してもいいですよね?最近新しくアコースティックやフォークジャンルに関心があるそうですね。


SG 歌う日が来るんじゃないですかね?僕、最近ギターを弾くことが減って歌の練習ばかりしています。メンバーたちはやめておけと言うんですが僕の声を好きでいてくれる方たちのおかげで勇気が出たんです。最近はなんせ音楽のジャンルに境界がないので、色々なものを混ぜたクロスオーバー(混合物)もとても好きです。これからたくさん見れるんじゃないですかね、歌う姿。

くだらないこと

2022.3.9

くだらないこと

 

 

 去年のゆんぎさんの誕生日、ジンくんがあげた一枚の写真に私は救われた。윤기 생축 とだけ書かれた、俯いたゆんぎさんの写真。ベージュのセーターが似合っていて可愛い。

 どう見てもノーマルカメラで撮ったのだろう肌の質感がリアルだし、控えめながら鼻の毛穴の黒ずみまで全部写っている。

 たったこれだけの、今どこかで二十代もだいぶ終盤に差し掛かったある1日を過ごしているであろう男性の、キメ顔でもなんでもない写真に、救われた。

 

 当時私はなによりも他人に外カメラで写真を撮られることを恐れていた。肌は汚いし、加工なしでは自分の顔が許せなかったし、そのくせ異性に外見的な魅力をアピールできることが自分の「女としての」価値を高めてくれると半ば本気で思っていた。YouTubeの「汚肌が原因で彼氏に振られた女子が特別なクレンジングを使ってツルツル肌に生まれ変わって人生バラ色!」的な広告を横目で見ながら内心真に受けていた。私の顔の真ん中で頑固に居座っている鼻の毛穴の黒ずみが、本当に嫌いだった。

 

 鼻の黒ずみに効くと評判の洗顔料をいくつも試したし、ピンセットで絞り出したり、鼻に貼って剥がす紙みたいなやつも試した。誕生日には友達に毛穴に効くと評判の美容液を頼んだ。見た目を気にしていると親に知られるのが嫌で、五百円のクレンジングでさえ隠して家に持って帰った。どれも効かず、ああ、なんでこんなに自分の肌は汚いんだろう、と泣きたくなる日もあった時、例の写真が投下された。

 

 ジンくんだ!わ、ゆんぎさんの顔近、、、かわいい、、、俯いてる、、、ジンくん字が適当でかわいい、、、肌補正かかってないな、、、あ、鼻の毛穴、、、

 


 誤解のないように言っておくが、ゆんぎさんの毛穴はめちゃくちゃ控えめだ。鼻の毛穴もよーーーく見ればちっちゃな黒ずみが見える程度で、普通に見たら無いも同然。それでも、アイドルは皮脂の量までアイドルだと思っていた私にはちょっとした青天の霹靂だった。

 ああそうか、そりゃ人間だもん、皮脂くらい出るよな。そりゃ出た皮脂は酸化して黒くなるわな。さすがに私の肌よりは圧倒的に綺麗だけど、ちゃんと「人間の皮膚」なんだな。

 


 今思えばそんな小さなことで悩んでいたのかと思うが、そう思うたびに「いやいや」と自分を押しとどめる。小さな埃でも目に入った本人にとっては他のことをストップしてしまうくらい大ごとになるように、あの時の自分にとっては大ごとだったし、それを大ごとだと思っていたあの段階の自分を笑わずに抱きしめてあげたい。ゆんぎさんが、小学6年生になるというファンを「小6なんて大したことないよ、可愛いなww」などと言わずに、「小学6年生、いろいろ考えてしまう歳ですよね。」と言葉をかけたように。

 

 何もゆんぎさんの毛穴が黒ずんでいたから好きというだけの話ではなくて、(それこそゆんぎさんの好きなところを箇条書きにして挙げようと思うとリストが赤道一周できてしまうのだけど) 推しが他人から見たら小さいけれど本人にとっては大きなことを笑わない人で本当に良かった、という話。

 

 

 今日私は高校を卒業した。私の高校生活の3分の2を私はアーミーとして過ごした。

 ゆんぎさん、誕生日おめでとう。

 おつかれさま、くだらなかった私。おめでとう、今の私。ぼちぼち頑張れよ、これからもくだらないであろう私。

#BTSとインターセクショナリティー キリンの裏話1

 1月30日、ひょんなことからTwitter上で開催された「BTSとインターセクショナリティー」という題名のスペースにスピーカーとして参加することになった。

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 最初はいちリスナーとして聴いていたのだが、話の流れで私のツイートが紹介されたので思い切って喋らせてくれ!とリクエストを送ったら、あっさりそのまま参加することになってしまったのだ。幸運なことにスピーカーの皆さんが海のような広さの心をお持ちで、たどたどしく話すガキンチョを温かく迎えてくださいました(特大感謝!!)。

 

 スペースの趣旨は、BTSが米司会者のジミーキンメル氏のトークショーの中で人種差別的なジョークのネタに使われたことをきっかけに、Army(BTSファン)の間で「インターセクショナリティーについて考えよう!」と企画されたもので、そこからいろんな差別問題やマイクロアグレッション、個人の話じゃなくて社会構造なんだよ!!という話、などなど色んなところに発展して刺激的で頭をフル回転させた3時間だった。

 

 そのスペースは、後日なんと再生回数が4万回を突破(ひえぇ)。リア友にも聞かれていて本当に照れくさい。「勉強になりました!」「こういう場を作ってくれてありがとう」といった好意的なメッセージから、「何いうとんねん」と眉を顰めたくなるようなメッセージまで、届いた反響はさまざま。元々の企画メンバーの皆さんのところにはもちろん、飛び入りで参加した私のところにもいくつかそういったメッセージが届いた。

 そのメッセージたちを読んでいくうちに、嬉しくなると同時に正直めちゃくちゃ居心地悪くなった。いや、誤解の無いように言っておくと、メッセージはもちろん嬉しかった(送ってくれた皆さんありがとうございます!!) 。しかし、私は社会問題についての知識が圧倒的に不足しており、皆さんの話に出てくる単語も当たり前のように共有されている前提条件も、しがみついていくので精一杯。小学生が急に大学の講義に放り込まれたような感じで、自分の世界の小ささを嫌でも実感させられることになった。(そもそもついこないだ生まれた若輩者なのでそりゃそうと言えばそう) 

 

 「興味あるつもり」「意識高いつもり」でも本当に全部ただのつもりだった。なのに「キリンさんのおかげで勉強になりました」という身に余るリスナーの皆さんのお言葉。あの…あたしゃそんなお言葉に値するもんじゃござんせん……という気持ち。

 

 なのでこの裏話は、そんな小心者・初心者・シュガさん大好き の3S揃った私が、少しでも罪悪感を和らげるために(?)、どちらかというと正確な事実よりも学びのプロセスの中での個人的な気持ちの変化にフォーカスを当てて、ぼちぼち気ままに書いてみようと思う。もちろん、読まなくてもスペースには全く差し障りないのでご心配なく。

 

(これを書いてるのは第二回「BTSとインターセクショナリティー 一歩踏み出すヒント編 part1」を終えたところ)

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GQ 2022 1月号 JIN

●=インタビュアー
JN=ジン

ポータルサイトで「防弾少年団 ジン」と検索すると、「コールドプレイ」が関連検索語として出てきます。すごく話題になりましたよね。

JN 僕がクリスマーティンの大ファンなんです。今もう一度考えてもコールドプレイとのコラボは本当にすごかったです。大切な時間でしたし。僕が「Viva la Vida」と「Fix You」がすごく好きなんですが、今回「Fix You」をカバーすることになりましたよね!特に嬉しかったです。

●今もすごく幸せそうな表情でした。コールドプレイとはどんなふうに会いましたか?

JN 最初はいつもミーティングでたくさん話をしてきました。どんなスタイルでやりたいのか、どんな話を書きたいのか、僕たちの意見をたくさん聞いてみながら曲を完成させていきました。マーティンは韓国に来て録音する時も、作業する時も、いつも僕たちに質問を投げかけました。「やってみたいことある?」って。

●その度に何と答えましたか?

JN 本当にたくさん話をしたんですが、記憶に残っているのは、マーティンが韓国語で、僕たちが英語で歌ったらどうだろうか、というアイデアでした。マーティンもすごく面白いと思うと言って録音までしたんですが、惜しいけど結果的には入りませんでした。ですが指で数えるうちに入るくらい楽しく作業した時間でした。

●本当にもったいないですね。両グループが音楽を音楽を超えて言語まで分けあう姿を見ることができたのに。

JN そうですね。お互いに発音の問題があってもったいないけど載せられませんでした。

●マーティンにギターをプレゼントとしてもらいましたよね?憧れの人からもらうプレゼントですからより嬉しかったでしょう。

JN ハハ!とても嬉しかったですよ。コラボをした後にアメリカでマーティンともう一回会う時間がありました。作業室ではマーティンと僕、二人きりでいたんですが、マーティンに会って「ギターかっこいい」と言いました。マーティンの大ファンですから。実際、マーティンの全てがかっこいいですよね。ところが出し抜けにプレゼントだと言ってそのギターをくれるんですよ。僕はそんな意味で言ったわけじゃなかったから。それで面食らって何が何だか分からないながらもワクワクして、どうしたらいいか分からなかったんです。

●プレゼントは「思いがけないもの」が一番良いって言いますよね。

JN そうですね。信じられなくて僕が本当にこれをもらっていいのか、何度も聞きました。本当にすごくありがたかったです。あとで伝え聞いたところによるとマーティンが僕がファンであることを知っていたそうです。それでプレゼントをくれたんじゃないかと思います。もちろん僕だけの推測ですが。ハハ!

●マーティンにプレゼントされたギターは今どこにありますか?とても大切に保管していると思うんですが。

JN 僕は家の玄関に大切なものを集めておくんです。ドアを開けると2メートルくらいになる巨大なRJというキャラクターがでーんと立っています。その横に置きました。ハハ。実はマーティンにどこに置いたらいいか聞いてみました。そしたらRJの横に置くのが良さそうだと言ってくれてあまり迷うことなくそこに置くことになりました。

●舞台が無くなった2年でした。ジンさんも時々昔の映像を探してみたりしますか?

JN もちろんです。そりゃあ探して観ますよ。ファン達の歓声が恋しくなるたびに観ています。幸いなことにYouTubeに上がってる映像がかなり多いです。最近はMic Drop探して観ました。思い出しながら見ました。「あーあの時の舞台ああだったよな」って思いながら。

●今一番記憶に残っている舞台をお聞きしたら、ひとつだけ挙げられますか?

JN うーん、あります!フランスでIDOLのパフォーマンスをしたことがあるんですが、曲の最後で原曲にはない楽しいリズムを混ぜたんです。普通、公演をすれば僕たちを見てくださるでしょう?ですがその最後の部分でファンの皆さんが僕たちではなくお互いを見つめながら本当に楽しそうに踊ってくださるんです。本当に楽しみながら!その場面を見ながらむしろ僕のほうが嬉しくなりました。記憶に残るくらいファンの皆さんが本当に素敵だった瞬間でした。

●毎回八色鳥のように変身するジンさんの舞台を見ながら、ふと防弾少年団ではないジンを音楽のジャンルに例えてみるとどうだろうか?という考えが浮かびました。ご自分から見て、ダンス、ポップ、ジャズなどどんな領域が一番似ていると思いますか?

JN 僕の性格を見ると、うーん、限りなく軽くて楽しいジャンルに近いようですが、ディスコ?ディスコに近いと思います。

●では、ボーカリストとして例えてみると?

JN うーん、ボーカリストとしては僕はスキルフルな方というよりは感情が濃く滲み出るようなジャンルや曲の方が近いようです。

●「防弾少年団のジン」と「ソロ曲でのジン」はどんな違いがあるでしょうか?おっしゃったように、ソロ曲を発表するたびに深みのある感情達が鮮明に感じられます。

JN 防弾少年団は7人が一つになって曲を完成させますから。誰か一人だけに合わせてキーを決めたり曲を解釈することはできません。ですがソロ曲では可能です。ただ僕だけに合わせた作業、僕がしたいスタイル、例えば僕が持つ声の中で一番美しい部分にキーを合わせて作業できるんです。歌詞や、メロディーもそうです。

●ソロ曲では主にどんなメッセージを伝えたいですか?

JN 正直、(それに関しては) 慎重です。僕が自ら深く共感できない話は書けないですし。例を挙げれば、環境問題。曲に書きたくても、一方では「僕がこの話をしてもいいんだろうか」「僕が本心から共感して実践する人だっただろうか」とまず悩むことになります。深く考えなければいけない問題でしょう。ですが、重要な問題はいまだに多いですから。いつかお話ししたい話があるのではないでしょうか。

●音楽を作るということは本当に簡単ではないことだと思います。

JN だからメッセージが明確に伝えられてはいません。僕は普段から頭を空っぽにしようと努力する方なんです。突然なにかメッセージが浮かんだら、メモをしておかないといけないでしょう。すぐに忘れてしまいそうで。ハハ!それで、書きたいテーマを別々に伝えるよりは即興で書くタイプに近いようです。最近は3,4ヶ月の間歌詞を書いては消してを繰り返していますが、いつだったか、全然違うテーマでアイデアが浮かんできて1節をたった10分で書いたこともあります。

●どんな曲なのか教えてもらえませんか?

JN あ、すみません。まだ曲の作業が終わってないんです。ハハ!

●ジンの心に強く響いたアルバムや曲があるとすると?

JN 個人的にはFireでした。「自分のやりたいように生きろ」という歌詞にとても刺激を受けました。「僕を嫌う人たちはどれほど良い姿を見せても結局嫌うだろうし、反対に僕を好きでいてくれる人たちはそばに残っていてくれるだろう」と。

●では、ミュージシャンとしてもそのようなターニングポイントがありましたか?

JN 音楽的に「何かをしてみなければ」という意志が込められた曲は僕の最初のソロ曲であるAwakeでした。事務所が機会をくれました。そういうきっかけで始めることができたんだと思います。団体曲は僕があえて何かしようとする気力も出ませんでした。とても立派で実力のある方たちが多かったので、欲を出しはしませんでした。なのでソロ曲の機会が来た時は欲を出してみないとという思いが湧きました。メンバーたちが一、二曲作業しているのを見ながら「僕も挑戦してみてもいいんじゃないか」と思いました。

●いつも新しい音楽、新しいパフォーマンス、新しいメッセージを伝えてこられました。トレンドを牽引する今の位置が、時には新しさに対する負担として迫ることもあると思います。

JN そうですね。もちろんそういうこともあります。いつも同じことをするわけにはいきませんから。メンバーたちと時おりする話があります。「最近何を書けばいいのか全然分からない」「僕たちが経験したことは限定的で、僕たちがしている仕事は同じようなことなのに、新しい歌を書かなければいけないなら何の話を書けばいいのだろう?」「僕が経験したことが合っているのか、正しいのかどうかも考えなければならない」という内容です。メンバーたちと話してみると皆プレッシャーを抱えているみたいだな、と思います。

●最近バラエティーで「休暇」に対する信念を話されました。多くの人が共感しながらジンの話が話題になったりもしました。1ヶ月ほど自由時間をもらえたら、どう過ごしますか?

JN 考えただけでも良いですね。ハハ。でも、思ったよりも休暇に長い時間を使いはしないと思います。パンデミックで2ヶ月ほど強制休暇を持つことになったことがあります。思いがけない休暇にメンバーたち皆喜びましたよ。ですがそれもちょうど二週間でした。休暇が1ヶ月に近づくとむしろ皆しんどくなりました。不安なんです。「こんなんでいいのか?」と思って。多分1ヶ月休むなら、途中途中で曲の作業なり何なりするのではないでしょうか?それか農業でもするとか、暇潰しに何でもすると思います。

●農業ですか?ハハ!

JN 最近になってよく考えるんですが、僕がこれから先、ずっと先に、引退をすることになれば、ひっそりとした田舎の村に行くのが良さそうです。屋上にバーベキューグリルを置いて時々パーティもして、また庭にはテントも一つ置いて、「そんなふうに過ごしたらどうだろうか?」とたくさん考えるようになりました。

●また新しい年です。年賀状を書くとしたらどんな挨拶を伝えたいですか?

JN うーん、ですが正直僕がこういう話をしていいのか分かりません。ですが、また新年を迎える若い人たちにこの話をしてあげたいです。もうすでによくやってきたし、よくやってるから、もし始まりに対するプレッシャーがあるなら、少し下ろして置いて。下ろして置いて、楽しみながら始めればいいと。僕はそう応援してさしあげたいです。

GQ 2022 1月号 RM インタビュー和訳

自分に気づき、目覚め、壊れる経験。それは自由から自由になりたいRMが本当の自分として存在するのだという一種の宣言だった。

●=インタビュアー
®️=RM

●RMのホームタウンですね。どんな風景を見てきましたか?

®️ 江邊北路、いつも見ていた見慣れた風景を通り過ぎて…。今日はPM2.5がものすごくたくさん立ち込めていたんです。何も見えないな?と窓を開けてこれは大変だなと思いながら(笑)

●最近日常がキラキラしてると感じる瞬間はありますか?

®️あ〜…(キラキラの目で)キラキラしているという表現をどのように解釈したらいいのかよく分かりません。僕流に表現するなら、こんな感じです。自分に忠実な瞬間。作業する時、毎日する運動をしながらルーティーンを守る自分になれた時、俺うまく生きてるみたいだなと思います。良い人たちと会って話をする時もです。時計を見る暇もなく時間が流れるのがすごーく惜しい瞬間があるじゃないですか。そんな時キラキラしてるなと感じます。

●今、表情がとても幸せそうに見えます。

®️最近はアートの話をすることが一番楽しいんですが、昨日好きな兄さんたちとそんな時間を持ったんです。自分達だけが分かる話をして。(エクボを見せて微笑む)

●RMが書いた歌詞を読んでみると風景のようだとよく思います。ただ単に見えるイメージではなく、自分がある空間の中に入って立っているという印象を受けます。

®️僕が好きな画家がとてもそういう感じなんですが、精神的な体験をさせてくれます。作品の前に立てば、とある瞬間に連れていかれる気分。余白があります。好きなものを何度も見て好きだと感じながら、僕も似てくるようです。質感、音楽的なテクスチャー(質感)をいろんな感覚でイメージトレーニングしてみて具現化できるように努力しています。

●さすがですね。

®️愛を例に挙げてみますね。愛の中にも色々なテーマがありますよね。「愛する女性を捕まえようと別れた男性が書いた曲なんだな」と誰がみても推測できるくらい平たんな感じよりも、抽象的な何かを抽出して表象化したいという欲が大きいです。抽象といえばぼんやりしていて自我が無くて曖昧なもののように感じるかもしれませんが、絵画の歴史として見ると、具象の後に抽象が登場しました。具象だけでは表現できないから、色や形だけ抽出して本質を凝縮したものが抽象だと思います。1足す1は2かもしれませんが、その中にカッコがあるかもしれないし、不等号があるかもしれないし…。余白の中に自由に想像してみる余地があるほうが僕にとってはもっと興味深いです。

●音楽が多様な表情を持つ秘訣なんですね。

®️以前は強くなりたい、証明してやるんだ、全部制圧するんだ、そんな強い単語をよく駆使した頃がありました。そうして一旦吐き出してみるとストレスは解消できますよね。ですが心の中ではだんだんディテールに関して考えるようになりました。それでどう制圧するんだ?本当に制圧するのか?一体制圧するってどういうことだ?と、文章の後にくる行間について考えるようになりました。

●私たちを出会わせてくれたのはルイヴィトンですよね。RMにとって服は単純に着る物以上のものであるようです。「mono」というプレイリストを作ってこんな話をしましたね。「色が無い服だけを見つけて、色がある服を取り出して着た時、自分にとって重要な変化がやってきた。一度整理して乗り越えていかなければいけない」と。

®️ファッションは強いて自分をさらけ出そうとしなくてもさらけ出せる手段だからです。自分をどのように見せるのかが僕にとっては重要です。ファッションが僕にとって大きな割合を占める理由でしょう。かつては今アートにハマっているようにあらゆるブランド、ショー、メンズウェアをあちこち探しあさった時もありました。だんだんと洗練されて、今は僕が好きなスタイル、ブランド数種類に絞られました。

●どんなものが素敵だと思いますか?

®️あるスタイルがその人に溶け込んで、意図せずとも、いや例え意図したとしても、渾然一体となるもの。どんなに滑稽なスタイルでも、自分が快適であるかのように演技をすればどんな服でも消化できるかのように人々に思わせることができると信じています。確固たる自分自身が存在すること。そういうのがカッコいいですよね。まだ28歳の僕がそんなことを追い求めようとするのは傲慢かもしれません。まだ青二才ですよね。

●それでも少しくらいは演技できるようになりましたか?

®️(スーッと息を吸って)上手くはありませんが前よりは注入は簡単になりました。難解な服を前にしても慌てないようにしてます。慌てれば写真の中でもバレてしまうんです。

●「走れバンタン×出張十五夜」編で、(くじ引きでご褒美にルイヴィトンをもらえることになった時)「ヴァージル、見てるか?」と叫びましたよね。(ヴァージル・アブロー: ルイヴィトンのデザイナー。多くのセレブに愛用されるファッションブランドOFF-WHITEの創業者で、BTSもよく着ている。ラップラインが尊敬するラッパーカニエウェストのアートディレクターでもある。) 「自分らしさ」で限界を超えて一つの時代のアイコンになったという点で二人は似ているように見えます。互いに交流がありますか?

®️個人的な交流はありませんが、デビュー時からヴァージルがすごく好きでした。Pyrex Vision(カニエウェストのYouTube映像プロジェクト)をした時、カニエウエストの友人である彼は僕のアイドルでした。ルイヴィトンのアンバサダーになるんだと言われた時、メンバー達みんなそうでした。「俺らがヴァージルの服を着るなんて、すごくビッグになった」って。ヴァージルのコメントですか?ストリート特有の雰囲気で「君らはマジでかっこいい、イケてる」ってよく言ってくれました。
※インタビューの約1ヶ月後、ヴァージルは41歳で癌のためこの世を去った。防弾少年団は「あなたのことが恋しくなるでしょう。あなたと一緒に仕事をすることができて光栄でした。」と追悼文をTwitterに上げた。

●自分で「自分かっこいいな、イケてるな」と感じる瞬間はありますか?

®️何もわからなかった時代には多かったですよ。今は目も耳も好みもすごく基準が高くなりました。見る目が肥えたので、自分自身にも厳しくなりました。

●それでも、キムナムジュンだけにあるカッコよさとは何でしょうか?

®️メタ認知が上手いです。(メタ認知: 自分の認識を客観的に認識すること。自分は今これをこのように認識している、ということそのものを冷静に認識し、把握して制御する力。)イシューやハプニング、自分自身に対してもいろんな方法をじっと見つめます。現象があればそれに対する理由を見つけてみようとして、自分自身を納得させようともします。さらにマインドコントロールまで上手くいけばすごく良いのに(笑)とにかく無数の検証の手順が僕の武器です。対象に対する長所・短所を簡単に素早く見つけますし。「人々に受け入れられるポイントはこれ、短所はこれ。けど僕の目には短所が浮き彫りになるからこれは僕の好みじゃない」って。

●判断はするけど、追求はしないと。

®️すごい信念があるというよりは、自分を客観化することが得意なんです。何らかの考えが浮かぶと、偏見化や固着化するのは簡単ですよね。僕はそこに埋没してしまわないようにしています。

●<Break The Silence>ドキュメンタリーで、恐怖と不安に対する告白をしました。’Always’という曲が、しんどい感情を記録し、歌詞にすることで乗り越える曲だそうですね。不安と恐怖を認識し、受け入れ、記録し共有することがRMにとってなぜ重要なのでしょうか?

®️わあ。これはとても不意を突く質問ですね。これに対するジレンマはずっとあります。なぜなら、舐めて見られるからです。いまだに多くの芸能人やスター、あるいはアーティストたちが秘密主義を選んでいます。たくさん傷つくかもしれないからかもしれないし、あえて話したくないからかもしれないですし。ですが僕はファン達に僕たちの「Pros and Cons(長所と短所)」、僕たちが人間として成長しながら落とした影を共有することは当然のことだと考えます。外の人たちの目から見ると防弾少年団の株はいつも右肩上がりのように見えるでしょうが、決してそれだけではないんです。解散まで考えたという話をあえて明かす必要はないでしょうが、時には何らかの告白が人を堂々とさせてくれたりもします。(告白をすることで堂々とふるまえることもあります) ただ、すぐに明かしはしません。感情が通り過ぎて濾過された後に、感情を振り返りながら感じる残像を抽出して、うまく整えて伝えれば「この人たちも人なんだな」と思いながらアーティストとの距離を狭めることができると思います。適切な排出は必要だというのが僕の信念です。そう言いながらも実は怖いです。下に見られるかもしれない、この告白が後で弱点になって逆風を受けるかもしれない、と。

●怖い反面、自由でもありますか?

®️快感があります。一度カードを裏返すと、続けて裏返すようになったんです(笑)そしてそれが礼儀かもしれないと思います。しっかり隠していて「僕たちはいつも良かったですよ」と言うよりも。代わりにその方法が大人らしく、職業人として倫理的ならばよいのではないでしょうか?本、ドキュメンタリー、インタビュー、音楽…。音楽が一番いいでしょうね。僕がそうだったみたいに、青磁もそこから何かを引き出すことができ、二次的に人生に適用してみることができるように。かっこいい方法での(感情の)排泄に対する悩みが多いです。

●アミの話は外せませんよね。これからアミとの愛がどんな方法で広がってほしいですか?

®️僕たちの相互関係、愛がどんな方法で進んだら(いい)と言うのは少し危険な考えかもしれないと思います。僕の人生もどんな方向に進むか分からないからです。アミはもう「こんな人」と特定することのできない集団です。なので僕たちの愛に対して特定する時に浮かぶイメージ、僕もそこから抜け出すべきではないかと思います。僕はアミのように誰かにコツコツと積極的に愛情を表現したことも、そんな気持ちになったこともありません。ですがそのすごい数百万のかたまりが僕をもっとより良い人に変えてきました。僕は彼らを本当にリスペクトしています。そういう意味で僕も彼らのファンですね。こんな願いがあります。僕たちが大人になっていく過程の中でそれぞれの方法でお互いを応援しながら、今の距離を維持していく平行線のような愛なら良いなと。

●よくやった、ありがとう、ごめん、という沢山の気持ちを込めてRMとアミに言いたいです。「お疲れ様でした。」完全に翻訳できない言葉ですから、この記事が翻訳されても綺麗なハングルで残ればと思います。

®️あ〜! ありがとうございます。(両手を綺麗に合わせて)お疲れ様でした。